11月3日、フロリダ州の有権者はAmendment 3(フロリダ州憲法修正第3号)の是非を決めます。州の投票にかけられる固定資産税改正としては、ここ数年で最大のものです。学校税以外の税に対するhomestead exemption(自宅居住用不動産の評価額控除、以下ホームステッド控除)を、2026年の上限51,411ドルから2027年に15万ドル、2028年に25万ドルへ引き上げ、セカンドホーム、賃貸物件、商業用不動産の評価額上昇に対する年間上限を10%から5%に引き下げる内容です。10月2日に公表されたSun-SentinelによるBroward有権者の世論調査では支持は53%で、成立に必要な60%に届いていません。また、賛成派にはFlorida Realtorsが資金を拠出しており、その額は反対派の調達額のおよそ33倍に達しています(WLRN、2026年9月29日)。
マイアミの所有者にとって、税額が下がるかどうかは、その物件がホームステッドかどうかで決まります。以下では、改正案の内容、恩恵を受ける人、対象外となる人、そして移住を計画するニューヨーク在住者が知っておくべき居住要件条項を整理します。この条項は、拡大された控除を2026年12月31日時点でフロリダ州に居住していることに結びつけています。
税務上の拠点を南へ移す際の全体的な試算については、NYCからマイアミへの税務移住ガイドをご覧ください。
本記事は住民投票の議案と公開報道を要約したものであり、税務または法務上の助言ではありません。ご自身の物件については、フロリダ州の税務アドバイザーにご相談ください。
要点
- Amendment 3は、学校税以外のすべての固定資産税に対するホームステッド控除を、現行の最大51,411ドルから2027年に15万ドル、2028年に25万ドルへ引き上げ、その後はインフレ調整します。学校税には現行の2万5,000ドルの控除がそのまま適用されます。
- 非ホームステッド物件(セカンドホーム、賃貸物件、商業ビル)には新たな控除はありません。評価額上昇の年間上限が10%から5%に下がります。
- 2026年12月31日時点でフロリダ州の居住者でない人は現行の控除から始まり、控除適用の5年目から拡大後の控除を受けます。ただし「to the extent permitted by the U.S. Constitution」(合衆国憲法が許す範囲で)という条件付きです。
- 州のエコノミストは、全面実施後の地方自治体の恒常的な負担を年間約120億ドルと試算しています。Miami-Dade(マイアミ・デイド郡)は初年度に3億5,900万ドルの歳入減を見込んでいます。
- 成立には60%の賛成が必要です。最近の世論調査は、州全体で45%(St. Pete Polls)から63%(Sachs Media、8月)まで幅があります。
Amendment 3の条文が定めること
州議会は、2026年6月の特別会期で可決したHouse Joint Resolution 1-F(HJR 1-F、下院75-26、上院30-9)によって、この改正案を投票にかけました。当初の投票タイトル「Save Our Homes From Excessive Property Taxes」(過大な固定資産税から住まいを守る)は、8月3日にLeon County巡回裁判所のDavid Frank判事によって「明白かつ決定的に欠陥がある」として退けられました。州は控訴せず、8月中旬に新たな文言を提出しました。
有権者が目にする投票タイトルは「Increased Homestead Exemption; Lower Cap on Increases in Non-Homestead Property Assessments」(ホームステッド控除の拡大、非ホームステッド物件の評価額上昇上限の引き下げ)です。要旨は次の5点です。
- ホームステッド控除の拡大。2027年に15万ドル、2028年に25万ドルとし、「for all non-school taxes」(学校税以外のすべての税について)適用され、その後はインフレに連動します。
- 地方による上乗せの選択肢。郡と市は、州議会が定める手続きに従い、自らの課税分について控除を評価額の全額まで引き上げることができます。特別区も有権者の承認を得れば同様の措置が可能です。
- 居住要件条項。2026年12月31日時点でフロリダ州の居住者でない人は、要件を満たした時点で現行の控除を受け、控除適用の5年目から拡大後の控除を受けます。
- その他の物件には低い上限。非ホームステッド物件の評価額上昇に対する年間上限は10%から5%に下がります。
- 支出の制限。郡と市町村は、固定資産税収を列挙された目的に充てなければなりません。治安、教育と学校、インフラ、天然資源、債券の元利払い、職員の退職給付、運営と管理です。
可決されれば、2027年1月1日に施行されます。同じ投票用紙には他に2件の改正案(予算安定化基金に関する案と農地の控除に関する案)が並ぶため、投票の際は番号を確認してください。これは大麻に関する2024年のAmendment 3とは別のものです。
ホームステッド所有者:変わること、変わらないこと
2026年、フロリダ州のホームステッドは、学校税以外の税について評価額から最大51,411ドル、学校税について2万5,000ドルの控除を受けます。最初の2万5,000ドルはすべての税に適用されます。追加控除は学校税以外の税にのみ、かつ5万ドルを超える評価額部分にのみ適用され、2025年からはインフレ調整されて、今年は26,411ドルです(Florida Department of Revenue、Florida TaxWatch)。これに加えて、Save Our Homes(ホームステッドの評価額上昇を抑える上限制度)が、ホームステッドの評価額の年間上昇を3%または消費者物価指数(CPI)の変動率のいずれか低い方に抑え、所有者はこうして積み上がった優遇のうち最大50万ドルをフロリダ州内の新たなホームステッドに持ち越すことができます(Florida Department of Revenue)。
Amendment 3は学校税には手を付けません。Florida TaxWatchの推計では、学校税は平均的な固定資産税額の約40%を占めるため、拡大された控除が及ぶのは残りの約60%、つまり郡、市、特別区の税です。数百万ドル規模のマイアミのコンドミニアムや邸宅では、25万ドルの控除は評価額に対して確かな、しかし控えめな割合にとどまります。中央値に近い価格帯の住宅の所有者ほど、割合の面で効果を実感します。
長期保有の住宅にとっては、引き続きSave Our Homesの方が重要です。売却されると、原則として翌年1月1日に評価額が市場価格にリセットされます。すでにフロリダ州にホームステッドを持つ買い手は、portability(評価額の優遇分を新居へ移す制度)による控除枠を持ち込んでこのリセットを和らげることができ、その後、新たな評価額から控除が差し引かれます。
セカンドホーム、賃貸物件、投資家
Brickellのピエ・ダ・テール(都市の別宅)やSunny Islesの賃貸ユニットは、非ホームステッド物件です。現行法(非ホームステッドの住宅物件についてはFla. Stat. 193.1554)では、学校税以外の課税に対する評価額の上昇は原則として年10%以内に抑えられますが、売却や大規模な改修があればリセットされます。Amendment 3はこの年間上限を5%に引き下げます。
これにより課税評価額の伸びは緩やかになりますが、税額そのものは上がる可能性があります。millage(ミレッジ、固定資産税率)は地方自治体が設定するうえ、改正案は失われる歳入の代替財源を定めていないためです。S&P Global Ratingsは6月、知事案が議論されていた段階で、「代替財源を特定しないままの大幅な税収減」による「信用面の圧力の増大」を警告しました。
反対派は、負担が賃借人や非ホームステッド物件の所有者に転嫁されると主張しています。エコノミストのJared WalczakによるFlorida Housing Coalitionの報告書は、地方自治体が失われた歳入を補うために税率を引き上げた場合、2028年の税額はアパート1戸あたり約406ドル、戸建て賃貸1戸あたり約1,081ドル上昇すると推計しました(WPTVとFlaglerLiveが報道)。この推計は、地方自治体が税率の引き上げで歳入減を補うことを前提としています。その判断は郡や市ごとに下されます。
資金と攻防
9月25日までに賛成派のキャンペーンは1,800万ドルを集め、その全額がFlorida Realtorsからの拠出でした。2つの反対派委員会の調達額は合計53万7,357ドルでした(WLRN、Orlando Weekly)。Florida League of Cities、Florida Association of Counties、Florida Sheriffs Association、Florida TaxWatchは反対の立場です。
Miami-Dade郡長のDaniella Levine Cava氏はこう述べています。「Amendment 3は欺瞞的です。単純な減税として示されていますが、地域社会が頼りにしている行政サービスを提供する費用がなくなるわけではありません。誰が払うかが変わるだけです」。マイアミ市政委員のDamian Pardo氏は、これをペイデイローンになぞらえました。「金利がいくらなのか、費用がいくらなのか、手数料がいくらなのか、どう扱われるのか、まったくわからないのです」(WLRN、2026年9月2日)。
世論調査の結果は割れています。Sachs Mediaは8月に63%の支持を示しました。St. Pete Pollsは45%でした。Bendixen & Amandi InternationalがSun-Sentinelのために実施したBrowardの調査(9月22日から27日、登録有権者918人)では、賛成53%、反対20%、未定27%で、地方の行政サービス削減について説明を受けると支持は下がりました。
マイアミの買い手と所有者が今なすべきこと
- 自分がどちらの区分に属するかを把握する。2026年12月31日時点でフロリダ州の居住者であるホームステッド所有者は、段階的に拡大される控除を受けます。その他の物件が受けるのは5%の上限のみです。州をまたいで物件を持つ所有者の多くは、一方の州にホームステッド、もう一方の州にセカンドホームと、それぞれを一つずつ保有しています。
- ニューヨークから移住するなら、日付を確認する。投票文言は、全額の控除を2026年12月31日時点でフロリダ州の居住者であることに結びつけています。この日付より後の新規居住者は現行の控除から始まり、拡大後の控除は控除適用の5年目まで待つことになります。この条項には独自の但し書き(「to the extent permitted by the U.S. Constitution」、合衆国憲法が許す範囲で)が付いているため、法廷で争われることが予想されます。ドミサイル(法的な本拠地)は、どこに住み、どこで働き、どこで投票するかといった事実によって判断されます。ドミサイルの確立方法は、マイアミを主たる居住地にするためのガイドで解説しています。
- 1月1日ルールを忘れない。ホームステッドには、1月1日時点で住宅を所有し、そこを恒久的な住居としていることが必要で、申請期限は3月1日です(Miami-Dade Property Appraiser)。1月1日より後に決済した場合、控除は原則として翌課税年度から始まります。
- 賃貸物件は上限ではなく税率で採算を見る。賃貸目的で購入する場合は、決済後の1月1日に評価額が市場価格に再評価され、その後は学校税以外の課税について年10%(改正案が可決されれば5%)の上限、上限のない学校税の評価額、そして変動しうるミレッジ税率を前提にモデルを組んでください。保有コストの側面は、マイアミとマンハッタンの決済費用比較で取り上げています。
- 海外の買い手は、まず適格性を確認する。ホームステッドには恒久的な居住が必要です。グリーンカード保持者は対象になりえます。一時ビザで滞在する所有者は原則として対象外のため、海外の買い手が持つマイアミの住宅は、いずれにしても非ホームステッドとして課税されるのが通常です。保有形態も重要です。海外の買い手のための米国遺産税ガイドをご覧ください。
投票の前と後、どちらでマイアミの物件を購入するかお考えですか。当社のブローカーは、毎週フロリダ州の税務・不動産専門の弁護士と連携しています。プライベートなご相談は、WhatsAppでメッセージをお送りください。
よくある質問
2026年の投票にかけられるフロリダ州のAmendment 3とは何ですか?
州議会が2026年11月3日の投票にかけた州憲法改正案です。学校税以外の固定資産税に対するホームステッド控除を2027年に15万ドル、2028年に25万ドルへ引き上げ、非ホームステッド物件の評価額の年間上限を10%から5%に引き下げ、郡や市が固定資産税収を何に使えるかを制限します。成立には60%の賛成が必要です。
Amendment 3でマイアミのセカンドホームの税金は下がりますか?
直接には下がりません。セカンドホームには新たな控除はありません。学校税以外の課税に対する通常の年間評価額上昇が、10%ではなく5%を上限とするようになります。売却や改修があれば評価額はリセットされえますし、地方のミレッジ税率が上がれば税額も上がる可能性があります。
Amendment 3は学校税にも適用されますか?
いいえ。拡大された控除の対象は学校税以外の税のみです。学校税には現行の2万5,000ドルのホームステッド控除が引き続き適用されます。
2027年にニューヨークからマイアミへ移住します。25万ドルの控除は受けられますか?
投票文言によれば、2026年12月31日時点でフロリダ州の居住者でない人は、要件を満たした時点で現行の控除を受け、控除適用の5年目から、合衆国憲法が許す範囲で拡大後の控除を受けます。ご自身の日程にどう適用されるかは、フロリダ州の税務アドバイザーにご確認ください。
Amendment 3はMiami-Dade Countyにどれほどの負担となりますか?
同郡は初年度に3億5,900万ドルの歳入減を見込んでいます。州全体では、Revenue Estimating Conference(州の歳入推計会議)が、全面実施後の地方自治体の恒常的な負担を年間約120億ドルとしています。
投票結果がどうであれ、ホームステッドの適用は、1月1日時点で住宅を所有して住んでいること、そして3月1日までに申請することに変わらずかかっています。
関連記事
出典:Florida Department of State、Amendment 3イニシアチブ記録(HJR 1-F)、Fort Pierce Utilities Authorityが公表した公式投票文言、Florida Policy Institute(2026年6月および7月)、Ballotpedia News(2026年6月3日)、WFLX(2026年8月4日)、Florida Phoenix(2026年8月6日)、WLRN(2026年9月2日、15日、29日、30日)、Orlando Weekly、Sun-Sentinel(2026年10月2日)、Fox 13、Sachs Media(2026年8月19日)、Florida TaxWatch、S&P Global Ratingsに関するAccounting TodayおよびThe Bond Buyerの報道(2026年6月)、Florida Housing Coalitionの報告書に関するWPTVおよびFlaglerLiveの報道、Fla. Stat. 193.155および193.1554、Florida Department of RevenueのCPIホームステッド控除に関する通知、Florida Department of Revenue、Miami-Dade Property Appraiser。